2015年12月28日

半月板損傷

みやき町 60代女性

数年前から右膝が痛くなり、それをかばう様に生活していたら
左膝まで痛くなって整形外科へ。

診断結果は『半月板損傷』と言われ5回程ヒアルロン酸注射を
打ったが一向に痛みがひかず、当院に来院されました。

半月板とは、太ももの骨とすねの骨(脛骨)との間にある「軟骨」の事を言い、
関節に安全性を与え、クッションの役目を持った三日月型のもので、膝の
内側と外側に1枚ずつ付いています。

半月板損傷とは、この半月板が割れたり、傷つく事を言います。
しかし、半月板そのものは軟骨ですので、血管や神経などはなく、痛みを
発する事はありません。

半月板損傷が起こるきっかけは、スポーツや事故が多いです。また、
高齢になると、少し膝を捻ったり、階段の昇り降りなど膝に負担がかかる
動作で損傷する場合もあります。

スポーツによる半月板損傷は内側の損傷が多く、外側は生まれつき半月板が
大きい場合(円盤状半月板)に発症することが特徴だと言われています。

直接的な原因は、上記のように運動の結果おこりますが、
根本的な原因は疲労によると考えています。

限度を超えた運動や、ケアを怠った場合、疲労は蓄積していきます。
そして、足首、股関節、腰椎、肩関節など、周囲の関節が柔軟性を失う
ことによって、捻る動作を加えた時に、結果として膝に過大な負荷が
かかってしまい、発症すると言ってもいいと思います。

手術は必要なのでしょうか?

手術は最後の手段です。
手術をすれば100%完全に治りきるのであればいいのですが、そうも
いかないのが現実のようです。

リスクも少なく、メスを入れずに改善していくのが可能であれば、
それがベストだと考えます。

半月板損傷といっても、半月板そのものは、繊維軟骨とコラーゲンで
出来ているので血行がほとんどありません。つまり、神経もなく、
半月板そのものは痛むことはありません。

ある研究では、膝関節の自覚症状がない方でも60才以上では41.7%に
半月板損傷が発見されたそうです。


つまり、痛むのは半月板ではなく、その周りの筋肉や腱などの組織と
いうことになります。

では、その周りの筋肉や腱を緩めればよいか?

いいえ、これも多くは一時的なその場しのぎに過ぎません。

ひざが痛む方はまっすぐ立っているつもりでも、左右が均等という人は
ほとんどいません。どちらかに重心が傾いています。

ひざの痛みが、どちらか片側に出やすく、それをかばっている内に
反対側まで痛くなってくるという悪循環に陥ってしまうのはそのためです。

今回来院された方は「体重も増えたし、もう歳だからね〜」と
おっしゃってましたが、体重、年齢のせいなら両足同時に痛くならないと
おかしいはずです。

痛みがなく健康を保つ鍵は重力に対して、いかに真っ直ぐ立てるかに
あるのです。

そのためには、人間の一番上にのっている約5kgもある重たい頭を
支える上部頸椎のわずかなズレを整える事がなにより大事になってきます。

今回来院された方も上部頸椎を調整後、かなり痛みが軽減し大変
満足していただきました。

このように同じような症状でお悩みの方、
どうぞお気軽にご相談ください。